初の女性市長誕生(9月19日)

 1889年(明治22年)4月1日、パリにエッフェル塔が完成した翌日、横浜が「市」となった。明治憲法下の「市」である。それから120年目の8月30日、横浜市に初めての女性市長が選挙で選ばれた。
 選挙期間中も女性の市長を厭う意見を、よく聞いた。私が、「それはあなたの経験からそうおっしゃるのですか。」と聞くと、間違いなく「そうだ」と答える。
 しかし、私は林市長に男性的な感性・行動パターン・バランス感覚を感じる。
 林市長とは、先日、簡単なあいさつ程度の言葉を交わしただけで、昨日の本会議のやり取りと著書から受けた感覚だが、永らく営業畑で働き、企業という組織で生活し、大企業のトップとして多くの従業員とともに働いてきた人間として、自然と身に付いた合理性なのかもしれない。市長職を今のところ仕事として捉えているのだろう。
 前市長は、まったく政治の世界だけで生きてきた方だったので、実社会で働いたことはなかった。そのため、理屈には長けていたが、それだけであった気がする。実際の仕事は、市民や職員が行っていた。中田氏もそれでよしと考えていた節もある。
 林市長は、よく他人の意見を聞く方のように思われる。今のところ、何人かの市民の意見と行政の意見が林市長のところに入る情報源なのだろう。それらの情報が、すべて本当のことであるとも限らない。
 これから議会の意見と対峙する割合が増えていくと思う。議会は市民の意見や議員個人の感性を織りまぜて、価値観をつけて主張する。
 林市長は、これから様々な意見・情報をもとに、何が横浜市民にとって一番適切な答えかを見つけていかなければならない。今までのビジネス時代と違い、競争する相手はいないが、367万人の生命と財産に責任があるのだ。